梅雨も明けきらないうちに、一気に夏が来たかのようです。梅雨入りの頃からすでに35度近い日もあり、この先、本格的な猛暑がどうなることやら……と、思わず先を案じてしまいます。

 

ご近所の庭ではノウゼンカズラが咲き始めていて、「もうすぐ夏だよ」と言われているような気になるけれど、こちらはまだまだ初夏のままでいてほしい気分。「まだ夏に追いついていない」そんな言葉がぴったりの、少し置いていかれたような日々です。

 

ここ数日は、本来の梅雨らしい気候に戻ったおかげで、暑さも少し落ち着いてきました。とはいえ、暑くなるときは一気にグンと暑くなるから油断なりません。気づいたら真夏がすぐそこまで来ていた――なんてこと、できればやめてほしいですね。本当に、あちら側(=夏)に「ちょっと待ってて」とお願いしたくなります。最近は、この“追いつけなさ”すらも、夏の風物詩のひとつなのかもしれない、そんな風にも思えてきました。

 

「咲いてるなー」「夏が来たなー」と、ノウゼンカズラを横目に通りすぎながら、「でも、もうちょっとゆっくりでもいいんじゃない?」と、心の中でつぶやく私。そうは言っても、冷やし中華やスイカはしっかり楽しんでいたりするんですけどね。そんなゆるやかな“初夏のまどろみ”のなか、今日もまたノウゼンカズラが雨に打たれながら揺れています。

 

なんて書いているうちにすっかり雨足が強くなって、雷まで鳴りだしたかと思えば、少しまた落ち着いて。季節も天気も自分のペースでグイグイ進んで、やっぱりついていけません、ほんとに。これが自然のリアルなんでしょうね。