家ごとに 儺(な)やらふ声ぞ 聞ゆなる いづくに鬼は すだくなるらむ 香川景樹 家ごとに鬼払いの声が聞こえてくるけど、家を追いやられた鬼はどこへ向かうのだろう。 「儺」とは、いわゆる疫鬼を追い払うという意味 […]
「tanka」タグの記事一覧(16 / 49ページ目)
【今日の短歌】「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」 (大下一真)
早咲きの梅がもう咲き初めていて、今年は桜の開花も早まりそうだと先日のニュースでやっていました。早かろうが遅かろうが、時期になればちゃんと咲いてくれて季節の到来を告げてくれる花々。例年と比べて早いとか遅いとか […]
【今日の短歌】感情の置き場所だけは奪われぬ言葉はずっとずっと一緒だ (東直子)
短歌をやっていて良かった、SNSで発信して良かったと思う一番の理由がまさにこれ。 少し乱暴な言い方をすれば、言語化すれば辛いことや悲しいこと、しんどいことも“ネタ”になるという強み。もちろん配 […]
【今日の短歌】門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし (一休宗純)
一休宗純禅師といえば、あの頓知で有名な一休さん。実際の一休さんは、アニメと違いずいぶん風変りで皮肉屋だったというのはよく知られているところです。正月のおめでたいムードの中、杖の先に髑髏をつけて「ご用心」と歩 […]
【今日の短歌】一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき (藤原知家)
一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき 藤原知家 一年の暦を奥へと巻き寄せていけば、残り日数がいよいよ少なくなってきたことを実感する 昔は今でいうカレンダー的なものは巻物だったか […]
【今日の短歌】くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな (樋口一葉)
暮れが近づくにつれて今年最後の〇〇が増えてきますが、今日は今年最後の満月・・・ではなく十六夜。昨日のコールドムーンは雲に邪魔されていたけど、今日の空には遮る雲もなく煌々とした月が浮かんでいます。一葉が見た月 […]
【今日の短歌】白湯気のなかの豆腐をすくふとき豆腐か湯気かふふとわらへり (小島ゆかり)
ほんわかした湯気に包まれた湯豆腐が思い浮かぶんだけど、それはただの勝手なイメージ。湯豆腐じゃなくても豆腐の入った鍋料理はいくらでもなるし、別に鍋料理じゃなくても例えば味噌汁にある豆腐を掬っているかもしれない […]
【伊勢物語】恋というもの
伊勢物語38段に登場する業平と紀有常の和歌。業平が、友人である有常の家を訪ねたときの場面です。 むかし、紀有常がり行きたるに、ありきて遅く来けるに、よみてやりける。 むかし、(業平が) 紀有常 […]
【今日の短歌】柿の実が柿の甘さに辿り着く時間(とき)の豊かさよ日当たりながら (武下奈々子)
今日は柿の日。先ほどニュース番組を観ていたら、正岡子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」に由来すると解説されていました。あの有名な俳句は、子規が旅先の奈良で詠んだものですが、その旅行の出発日が1895年の10 […]