「二百十日」とは、立春から数えて210日目にあたり、古くから台風の襲来に警戒すべき時期として知られてきました。9月1日前後に当たることが多いため、この日が防災の日として制定されています。閏年の今年は、8月3 […]
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【今日の短歌】いそぎつつ朝は出てゆく街角に咲きて久しき百日紅の花(古泉千樫)
百日紅(サルスベリ)の幹は、すべすべと滑らかで美しい質感を持ち、その特徴から「猿も滑り落ちる」と喩えられるほどです。そして「咲きて久しき」とあるように、花期が長いことから「百日紅」とも言われて […]
【今日の短歌】少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり(内山晶太)
同じく私も、あまりガサッと開けるタイプではありません。ポテトチップスだけではなく、何かの袋を開けるときはなんとなく最小限に抑えがちです。今では便利な道具もあるし、袋の閉じ方のライフハックがあるのも知ってるけ […]
【今日の短歌】焼きたてのチーズケーキが息をする鉄の型より外されるとき(山本夏子)
「息をする」とは、すなわち“解放”の象徴です。鉄の型にしっかりと包まれていたチーズケーキが、その束縛から解き放たれ、まるで自分自身を表現し始めるような瞬間が描かれています。この表現は、単なる製菓の工程を超え […]
【今日の短歌】秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる(藤原敏行)
季節の移ろいを感じるとき、それは目に見える変化だけではなく、音や温度といった五感を通じた微細な違いからも伝わってきます。今年の立秋を迎えたとはいえ、依然として厳しい暑さが続いています。湿気を含んだ生暖かい風 […]
【今日の短歌】夏雲の君の不安のかたまりが溶け出し僕が満杯になる (松村正直)
感情の微妙な揺れに対して深く共鳴する自分がいることに気づかされる瞬間、その感覚がどれほど他者との関係に影響を与えるかを改めて考えさせられます。特に不安という感情は、たとえ隠そうとしても、言葉や行動に滲み出て […]
【今日の短歌】まことにも暑し暑しと口にしていへば紛るる土用の暑さ(窪田空穂)
あっつい、とにかくあっつい。年々厳しさを増す猛暑に「暑い」という言葉がつい口を出てしまい、「おはよう」もそこそこに「暑いね」が挨拶代わりとなってしまうほどです。真夏の猛烈な暑さに対する対処法として、「暑い」 […]
【今日の短歌】雑踏の中でゆっくりしゃがみこみほどけた蝶を生き返らせる(木下龍也)
蝶々結びは完璧にできても、その蝶はすぐにほどけてしまいます。子供の頃からその度にしゃがみこんで結び直してきたのですが、どんなに固く結んでもまたほどけてしまいます。時が流れてもこの現象は変わらず、ほどけにくい […]
【今日の短歌】梅雨さりぬ先づはなだ草初夏の瞳を上げてよろこびを云ふ(与謝野晶子)
ここ東海地方でも梅雨が明けました。ジメジメとした梅雨から解放されて嬉しいのは、ツユクサ(別名「はなだ草(縹草)」)も同じでしょうか。梅雨が明けた瞬間の清々しさと喜びを、ツユクサの鮮やかな青色が見事に表現され […]
【今日の短歌】遠雷のような時代が波たちて海の名前の家族が笑う(東直子)
「海の名前の家族」というのは、おそらくはサザエさん一家のことでしょう。調べてみたら、原作は1949年12月1日付で創刊された「夕刊朝日新聞」での連載が最初で、アニメが放送開始されたのは昭和44年の10月5日 […]