筑波嶺の新桑繭の衣はあれど君が御衣しあやに着欲しも 筑波嶺の新桑繭で作られた上等な衣はあっても、それよりもあなた様の衣を着てみたいものです。 新桑繭とは、春に孵化した蚕 (春蚕)のこと。瑞々し […]
筑波嶺の新桑繭の衣はあれど君が御衣しあやに着欲しも 筑波嶺の新桑繭で作られた上等な衣はあっても、それよりもあなた様の衣を着てみたいものです。 新桑繭とは、春に孵化した蚕 (春蚕)のこと。瑞々し […]
よもの山に木の芽はるさめふりぬれば かぞいろはとや花のたのまむ 大江匡房 四方の山々に木の芽を膨らませる春の雨が降れば、父よ母よと、花はこの雨を頼りにするのだろうか。 断続的に雨が降ったりとす […]
可憐な薄紫の花は、その昔「堅香子」とも呼ばれていました。あんまり日が照っていると花弁が丸まるように反ってしまうし、逆に雨だったり日照が足りなければしょぼんと花弁を閉ざしてししまう繊細な花。いい […]
失ってから初めて気づく、当たり前が当たり前じゃなくなることの喪失感というのは、何の前触れもなく突然にやってきたりします。当たり前に享受している感謝すべきことに目を向けているつもりでも、これからも幾度となく経 […]
辞書から飛び出た蝶などの昆虫が言葉を紡いでいる。そんな3D映像がパッと浮かびます。この歌が収録されている歌集「水葬物語」が出版されたのが1951年。デジタル要素を踏まえながら旧字体が使われているのがモダンで […]
「ライナスの毛布」になって包んでいるのは主体なのか、夜なのか、あるいは“ひかり”なのか。主体なら包まれているのは(主体にとっての)ライナスだし、夜なら包まれているのは主体であり、“ひかり”なら […]
雨が凍てついた大地を潤し、草木が芽吹き始める「土脉潤起」です。 「をさなき物の育つはたのし」の一方で、枯色だった地面にポツポツと緑が生えてくれば、待ったなしに雑草との戦いが始まります。ウチの菜 […]
人に優しくありたいとは思うけど、寛容になれない時もあるし、イラっとくることもあるし。徳の高い人ほどそれらを上手に浄化してしまうんだろうけど、そこまでの器量を待ち合わせていない自分は簡単に揺さぶられてしまいま […]
この時期に花を咲かせる節分草。 咲いているのはロープの内側だし、小さいうえに俯き加減だし、落ち葉や小石のせいでピントが合いにくいし。被写体としてはなかなか難易度は高いけど、それでもやっぱり会い […]
丸谷才一氏の「思考のレッスン」を読んでいたら、後鳥羽院が隠岐で詠まれた「我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ」という御歌の話が出てきました。丸谷氏は「後鳥羽院」という本の著者でもあるのですが、「 […]