久々の読書日記です。

 

今回は、以前このblogでもご紹介した「フクシノヒト こちら福祉課保護係」の続編です。関連記事

blogに記事をUPした際には、著者の先崎氏にコメントまでいただき、尚且つ記事をTwitterに紹介してくださいました。

 

 

さらに嬉しいことに、朝倉冴希名義で出した著書・「風花日和」をご購入いただき、嬉しい感想をいただきました。

 

いや~、本当にありがたいです。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

 

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さて、先崎氏からのコメントの中に「より現実的・社会的な内容になっている」とあったのですが確かにそうでしたね。ネタバレになるので具体的には書きませんが、こういうことってありそうだな、こういう人いそうだなという場面がより濃く散りばめられていたように思います。

 

読んでいて強く思ったのは、福祉の仕事って弁護士や医者などと同じなんだなということです。

弁護士というのは被疑者がどういう人間だろうと、弁護士として雇われた以上は世論や私情は度外してその人が有利になるように弁護するのが仕事。なぜなら、本人に成り代わっての代弁者であり、少々強引な言い方をすれば「本人=弁護人」だから。

 

医者だって、治療にどれだけの税金が使われていようが、患者がどれだけ不摂生していようが、患者が病気であれば治るように最善を尽くすことことが仕事なわけです。ドクターxの大門未知子が、目の前に患者がいれば敵だろうが何だろうが「私、失敗しないので」と颯爽と助けるのは医者とはそういうものだから。

 

ケースワーカーを含め福祉の仕事も、そういう類の職業なのだなと。つまり、そこにいるのがどういう人間だろうと、世論がどうだろうと、思うところがあろうと、憲法でいうところの「健康的で文化的な生活」が送れるようにとことん味方でいるべき存在・・・そういうものなのだなと思ったのです。だから、そこに甘ったれてるとか税金がどうのこうのとかそういう話が入ってくるとややこしくなると。

 

そのあたりがイマイチ割り切れずに、ど正論をぶつけてくる新しく保護係に異動してきた江南さんの登場で、根っからの福祉人間の白井野さんをはじめとするみんなとの微妙な空気感が生まれたりするんですけど、それがまた読んでいて興味深いところでした。

 

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それとね、社会に出てみると実際の現場ってドラマのようはいかないしできないよなと思うことがよくあります。だってさ、表立っては見えない裏の地味な仕事をそれこそいっぱい抱えていて、それに加えて時間だって制約があってあんな風になかなか身動き取れないもの。

 

仮に動けたとしても、先送りした仕事のことを考えると気が気じゃない・・・職場にもよるとは思うけど、経験上いっぱいいっぱいの現場だとそれが現実じゃない?と思うんですよ。

やらなければならないことと時間との兼ね合いの中で目の前のことをこなしてやっていくしかなくて、それが精一杯でその現実とのジレンマに苦しんでいる人がそれだけいるか・・・と考えたりもします。

 

著書の中で、主人公の堺勇治がとある病院のとある患者への扱いに強い憤りを感じて激しく抗議するシーンがあるんです。粗雑な医療の背景にはそういう“余裕のなさ”も一因にあるんだろうなと思ったりもしました。どんな職業でも、予算、時間etc・・・いろんな制約はつきものだけど、そこんところを上手く折り合いをつけながら最善のパフォーマンスができるのが“一流”なのかもしれませんね。

 

“余裕”を生み出すために改善できるところは積極的に改善して、理にかなわないシステムを変えていく努力も必要なことですよね。

 

では、また~。

 

 

 

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~追伸~

先崎先生より。

 

 

現実はもっとはるかに悲惨・・・こういう話を聞くと本当に胸が痛みます。