今回は、短歌連作サークル『あみもの』二十四号に投稿させていただいた短歌について、少し語ってみようかなと思います。
片隅にひっそりと咲いたマーガレットを見ながらどうしているかなぁと思いを馳せ、ひょいと捕まえたテントウムシは仰向けのまま動かなくなりしばらくしてしなやかに身を翻しました。偽死行動ってやつです。
夏は容赦なく草が伸びるので、こまめに除草しないとすぐに荒れ果ててしまいます。夏になるとどこからともなく草刈機の音が聞こえてきて、刈り取られた草があちこち積んであるのを見かけます。赤土をコンクリートで塞いだと詠んだテラスは、その上に水色の大きなタイルが敷き詰められています。そこだけは草が生えることはありません。
畑に植えられているのは別ですが、普段は存在すら意識しないニラ。時期になると花を咲かせ、あぁこんなところにニラがあったんだと気づかされます。よく見れば道端のいたるところでニラが存在していて、毎年のようにはっとさせられるのです。
夜に咲く月下美人のように、誰にも知られることなく散ってしまった恋があります。
・・・このように、庭をモチーフとして実際に体感したことをそのまま詠んでいます。会えなくても刈り取られても気づかれなくても、しなやかに密やかに「ここにいるよ」と主張する植物や生き物たち。そんな健気さを拾い上げました。
それはそれでいいんだけど、自然ってもっともっと泥臭い部分がいっぱいあるのになんでそういう部分を出していかなかったんだろうと今になって思います。この連作で足りないそういう部分を、これから詠んで埋めていくつもりです。
カッコつけてるのかなんだかわからないけど、取り繕って泥臭くなりきれないというのは、私の足りないところであり課題のひとつ。・・・というわけで、今年の短歌を詠むときのテーマは「泥臭くなることを恐れない」です。
総勢241人をまとめられた主催者のひざみろ@1ookat2 さん、改めてありがとうございます。尚、ひざみろ@1ookat2 さんからは以下のような素敵な評をいただきました。重ねてありがとうございます。
短歌連作サークル誌『あみもの 第二十四号』
(朝倉冴希の作品はP.27)