いむといひて影にあたらぬ今宵しもわれて月みる名や立ちぬらむ 西行 忌むべきものと言われてその光が当たるのさえも避けようとする今宵だけど、無理をしてでもそんな月を見てみたいと思う。悪名の噂が立たなければいい […]
「今日の短歌」の記事一覧(15 / 45ページ目)
【今日の短歌】筑摩江や芦間に灯すかがり火とともに消えゆくわが身なりけり (石田三成)
関ケ原の戦いに敗れ、三成が今まさに斬首されようとしているときのこと。三成が喉が渇いたので水を飲みたいと言うと、水はないが柿ならあると差し出されます。しかし三成は、「柿は胆の毒」とこれを断ります。これから死ぬ […]
【今朝の短歌】おりたちて今朝の寒さを驚きぬ露しとしとと柿の落葉深く (伊藤佐千夫)
このところの朝晩の冷え込みに、会話の端々に「今年の秋は短い」といった声が聞かれるようになりました。かと思えば、日中になると上着を脱ぐぐらい暑かったりもして。一日の気温差が激しいので着る服に迷いますね。 &n […]
【今日の短歌】きのことは柔らかい釘、森にいる誰かを森に留めおくための (千種創一)
過去に撮影したきのこ達。 きのこって色もフォルムもめちゃくちゃバリエーションがあって、見ているだけで飽きないです。見つけると嬉しくなってテンションが上がります。太古の昔から食べられているものだから、脳が反応 […]
【今日の短歌】春を練りシナモンロールに焼き上げる仕方ないことを仕方なく思う (九螺ささら)
この短歌で思い浮かぶのは、小林聡美さん主演の映画「かもめ食堂」の主人公・サチエさん。シナモンロールといえば「かもめ食堂」 かもめ食堂は、フィンランドのヘルシンキで食堂を開ているサチエやサチエを […]
【今日の短歌】かたりあひて尽し丶人は先立ちぬ今より後の世をいかにせむ (山県有朋)
かたりあひて尽し丶人は先立ちぬ今より後の世をいかにせむ 山県有朋 共に語り合い(国のために)尽くしてきた人は先立ってしまった 。これより先(我が国を)いかようにすればよいのだろうか。 安倍元総 […]
【今日の短歌】 逢うことは雲居はるかになる神の音に聞きつつ恋ひわたるかな (紀貫之)
昨日は、七十二候の中では秋分の初候にあたる秋分の日。初候から5日間は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」、すなわち暦の上では雷が収まってくる頃だと言われていますが、昨日は地元の愛知県は線状降水帯が発 […]
【今日の短歌】いかばかり嬉しからまし秋の夜の月澄む空に雲なかりせば (西行)
いかばかり嬉しからまし秋の夜の月澄む空に雲なかりせば 西行 どんなにか嬉しいでしょう。秋の夜、月の浮かぶ澄んだ空に雲がなかったのなら 今宵は中秋の名月。例年だと雨だったり雲っていたりすることが […]
【今日の短歌】菊の花若ゆばかりに袖ふれて花のあるじに千代はゆずらむ (紫式部)
本日は重陽の節句。重陽の節句の前日に菊の花に綿をかぶせ、その翌日に菊の香りの含んだ夜露を染み込ませた綿で顔や肌を拭って長寿を願う風習があります。一説によれば、たくさんのキクが自生する中国のとある村がとても長 […]
【今日の短歌】ぬばたまの黒髪変かはり白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり (沙弥満誓)
ぬばたまの黒髪変はり白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり 沙弥満誓 黒髪に変わって白髪の生えるそんな歳になっても、痛みを伴うような切ない恋に出会ってしまうものなのですね 沙弥満誓は、大伴 […]