今まで石田三成はいろんな方が演じているかと思いますが、岡田准一くん演じる石田三成は愚直でまっすぐな性格として描かれています。岡田君はなんといっても眼力が強いのでスクリーン映えしますね。
滝藤賢一さんが演じる秀吉がね、立ち振る舞いといい名古屋弁まるだしの喋り方といいすごくいい味出しています。秀吉があれだけコテコテの名古屋弁なら、家康にも「じゃん・じゃら・りん」の三河弁を喋ってもらいたかったなぁとちと思ったりして。(笑)(三河出身なので(^^;))キムラ緑子さんの北政所も良かったなぁ。
とにかく錚々たるキャストの面々が揃っているので、スクリーンからの画に重厚感と迫力があります。
ただ、よほど歴史を知っていないと、展開がよくわからない、把握しづらいのではないですかね。東西の分布など状況を図解で説明するなど、もうすこしわかりやすさがあっても良かった気がします。
また、その人がその行動を起こすまでに、どのような経緯と心情の変化があったのかが見えづらい部分がありました。
例えば、関ケ原の戦いと言えば、石田三成の西軍についていた小早川秀秋が寝返ったことによって家康が勝利します。三成を裏切ることに対する罪悪感や葛藤は伝わるのですが、なぜそうしなければならなかったのかが十分に説明されていないのでイマイチ感情移入しにくい・・・そんな感じです。
一言で言えば、全体的に「説明が足りない」
あと、TwitterのTLなどを読んでみると「早口でセリフが聞き取りづらい」という意見が目立ちますが、確かに早口でしたね。
それに加えて、限られた時間の中にできるだけ盛り込もうをしているためか、例えば目線を動かす・・・などの「間」が少ない印象でした。だから、余計に感情移入しづらかったのかなとも思います。役者さんの演技は、とても素晴らしかったですけどね。
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えーっと、ちょっと辛口な意見になってしまいましたが(^^;)、これって紙一重なところがあって、だからこその奥深さがあるのかなとも思うんですよね。
たぶん一回目よりも二回目、二回目よりも三回目と、噛めば噛むほど味が出るスルメのような・・・歴史を知れば知るほど面白くなって、何度でも観たくなるのがこの映画なのだろうなと思います。
大迫力の合戦の場面は、見ごたえがありました。相当お金かかってるなぁと。これだけでもスクリーンで観る価値はあるかなと、個人的には思います。