花散らふこの向つ峰(お)の乎那(おな)の峰の州(ひじ)につくまで君が齢(よ)もがも 作者未詳 花の散っている向こうにある乎那の峰が風化し、やがて州となって湖に浸かるほどに、あなたにはどうか長く生きていてほしい。 万葉集 […]
「今日の短歌」の記事一覧(19 / 45ページ目)
【今日の短歌】パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である (杉崎恒夫)
「人間は考える葦である」は、パスカルの遺稿集「パンセ」の中にある有名な言葉。パンセって、フランス語では「考え」とか「思考」とかそういった意味もあり、パンパンパン・・・とただ韻を踏んでいるわけではないというの […]
【今日の短歌】雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに (紀貫之)
雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに 紀貫之 雨が降れば色が抜け去ってしまう桜花みたいな、そのような薄い心で私はあなたを想っているのではないのです。 雨に打たれて色褪せてしまう桜花を見 […]
【今日の短歌】冬と春まじわりあって少しずつ暮らしの中で捨ててゆく紙 (阿波野巧也)
新年度に向けていろいろ整理する時期ですからね。新生活に向けての広告とかも増えてくるし。データ化が進んではいるとはいえ、紙を捨てることが多くなります。 書類関係は、要るもの要らないものと選り分け […]
【今日の短歌】「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」 (大下一真)
早咲きの梅がもう咲き初めていて、今年は桜の開花も早まりそうだと先日のニュースでやっていました。早かろうが遅かろうが、時期になればちゃんと咲いてくれて季節の到来を告げてくれる花々。例年と比べて早いとか遅いとか […]
【今日の短歌】感情の置き場所だけは奪われぬ言葉はずっとずっと一緒だ (東直子)
短歌をやっていて良かった、SNSで発信して良かったと思う一番の理由がまさにこれ。 少し乱暴な言い方をすれば、言語化すれば辛いことや悲しいこと、しんどいことも“ネタ”になるという強み。もちろん配 […]
【今日の短歌】門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし (一休宗純)
一休宗純禅師といえば、あの頓知で有名な一休さん。実際の一休さんは、アニメと違いずいぶん風変りで皮肉屋だったというのはよく知られているところです。正月のおめでたいムードの中、杖の先に髑髏をつけて「ご用心」と歩 […]
【今日の短歌】転調をくりかえしつつ生活は譜面に眠るまだ見ぬ音符 (伊波真人)
ここでいう転調とは、大なり小なり何かしらの転機や節目のことなのだろうけど、巧い表現だなぁと思います。自分の人生を音楽に例えてみるとどうなんでしょうね。どのジャンルにも属さないような変わった曲調とリズム。しか […]
【今日の短歌】一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき (藤原知家)
一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき 藤原知家 一年の暦を奥へと巻き寄せていけば、残り日数がいよいよ少なくなってきたことを実感する 昔は今でいうカレンダー的なものは巻物だったか […]
【今日の短歌】くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな (樋口一葉)
暮れが近づくにつれて今年最後の〇〇が増えてきますが、今日は今年最後の満月・・・ではなく十六夜。昨日のコールドムーンは雲に邪魔されていたけど、今日の空には遮る雲もなく煌々とした月が浮かんでいます。一葉が見た月 […]