このゆふべ降り来る雨は彦星の早漕ぐ船の櫂の散沫かも 七夕の今日に降る雨は、彦星が急ぎ漕く゛船の櫂があげる飛沫であろうか 七夕の日に降る雨を「洒(催)涙雨」といいますが、さっきまで雨が降っていま […]
「今日の短歌」の記事一覧(19 / 43ページ目)
【今日の短歌】芋の葉にこぼるる玉のこぼれこぼれ子芋は白く凝りつつあらむ (長塚節)
芋の葉にこぼるる玉のこぼれこぼれ子芋は白く凝りつつあらむ 長塚節 里芋の葉から玉のような雫がこぼれ落ちており、こぼれ落ちた先の地中では白い子芋たちが育ちつつあることだろう。 パールのように輝く […]
【今日の短歌】紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る (詠み人知らず)
畑の一角に、零れ種から出てきた青紫蘇の芽がびっしり。大きくなってきたらすごいことになると思いつつ放置したままだったので、ギュウギュウになりながらそのまま育っています。あちこちにお裾分けしつつ、あの手この手で […]
【今日の短歌】夏晴れのさ庭の木かげ梅の實のつぶらの影もさゆらぎて居り (斎藤茂吉)
梅の実が熟す時期。我が家でも梅干しを漬けるために、梅の実を買ってきました。雨の降るこんな日は、梅の実がより強く香ります。今年は生の赤紫蘇を使わずに、市販されている処理済みの赤紫蘇を使うつもりです。 &nbs […]
【今日の短歌】あぢさゐの花の花間(はなま)にやはらかく雨ふりしづむ 夕雨夜雨 (高野公彦)
今年は梅雨入りが早かったので、さぞかし雨続きの日が続くかと思いきや・・・。この地方は、雨が降ったとしてもすぐに止んでしまったり、夜更けに降ることが多いです。雨が降らなかったら降らないで、少しぐらいは雨が降っ […]
【今日の短歌】雨の降り始めた街にひらきだす傘の数だけあるスピンオフ (近江瞬)
人となりがわかっているように思える身近な人でも、私の知らない彼らの物語がそこにあり、また私の物語を彼らがすべて知っているわけではありません。本当にその人のことがわかっているかといえば疑問です。 […]
【今日の短歌】六月の朝のくもりを雀とぶそらより土に土より空へ (玉城徹)
ウチにはいろんな鳥が遊びにくるけど、雀ってそれほど多く見かけません。それらしき鳥はいても、雀ではなくモズだったりします。全く見かけないということはないんだけど、昔はもっとそこらじゅうにいたのに、ずいぶん数が […]
【今日の短歌】枇杷の木に黄なる枇杷の実かがやくとわれ驚きて飛びくつがへる (北原白秋)
枇杷を見かける季節となりました。 植えれば不幸になるとも言われる枇杷だけど、どちらかといえば縁起のいい植物だと思うんですよね。実際、枇杷の葉は「大薬王樹」とも呼ばれているし、枇杷製の杖は「長寿 […]
【今日の短歌】本棚に戻されたなら本としてあらゆるゆびを待つのでしょうね (笹井宏之)
コロナ対策のため、病院の待合室等では雑誌や本が次々と撤去されていきました。あらゆる指を待つ本のイメージとして、私は図書館の本棚を思い浮かべたのですが、今は多くの図書館が休館を余儀なくされています。 &nbs […]
【今日の短歌】六月は酒を注ぐや香を撒くや春にまさりて心ときめく (与謝野晶子)
6月といえば梅雨真っ只中 = ジメジメの湿気祭り。「春にまさりて心ときめく」で、厄介としか思えなかった6月の印象がガラッと変わった一首。不思議なものです。私が単純なだけかもしれないけど、思っているより6月っ […]