デックス東京ビーチにある台場一丁目商店街にて。

 

最近では駄菓子屋さんも少なくって、駄菓子といえばショッピングモールとかの一角にコーナーが設けられているのをたまに見かけます。

 

先日立ち寄った台場一丁目商店街のレトロな異空間に懐かしの駄菓子もいっぱいあって「懐かしい~」と思わず声が出たけど、やはり子供の頃にあった駄菓子屋さんとは別物。あのどこか寂れたような特有の雰囲気がセビア色なら、現代版は少し原色がかっていているように感じます。

 

子供のころは、妹や近所の子と連れ立ってよく駄菓子屋さんに行っていました。町内会のリレーの練習があって、終わってから駄菓子屋さんに寄ってポッキンアイスを買うのが楽しみでした。棒アイスの当たりに大喜びして、ダッシュで駄菓子屋さんに駆けこんだこともありました。「当たったよ~」と言いながらドヤ顔で当たり棒を差しだして、おばちゃんが「良かったね」と言いながらもう一本くれたのを思い出します。

 

いつしか駄菓子屋さんでお菓子を買うことはなくなって、よく行っていた2軒の駄菓子屋さんもとっくに閉店してしまいました。それでも“親切な郷愁”のおかげで駄菓子は受け継がれ、再現することも戻ることもできないけど、“親切な郷愁”によってアミューズメントとしてノスタルジーな居空間を楽しんでいる自分や人々がいるということ。それをどう捉えればいいのかわからないけど、“親切な郷愁”すらもなくなってしまえばそれはそれで味気ないような気もします。

 

そういえば、あの「うまい棒」が4月1日から10円から12円に値上げしたんだっけ。うまい棒といえば10円だったけど、時代だなぁ。

 

屋上に鍵は掛けられあのときの駄菓子屋はもうなくなっている 朝倉冴希