野辺みれば弥生の月のはつるまで まだうら若きさいたづまかな 藤原義孝 春の野を眺めているうちに、弥生の月が昇るほどの時が過ぎていた。 そこにいたのは、まだうら若く、目を引くような「さいたづま」 […]
「2025年」の記事一覧
【今日の短歌】足裏にふれてここにも土破る筍の秀はとがりて黄色し(白河まさ子)
今年の筍は慎重派なのか、出てくるのが遅くて、4月になっても一つも姿を見せませんでした。例年なら3月の半ば頃からポコポコと出てくるのに、こんなことは初めてです。「もう少し暖かくなってからにしようか」って、地中 […]
【今日の短歌】もみしだかれて狂うほかなし三月の疾風にしなう白き木の花(久々湊盈子)
「三月の疾風」としなやかさ 春の風って、一見すると季節の移り変わりを告げるものだけど、三月の風は特に荒々しく、時には嵐のように吹き荒れます。人生の試練や社会の荒波、運命の激流 みたいなものを暗示しているよう […]
【今日の短歌】桜なんか勝手に咲けよまだすこし怨念がある昨日の夢に(岡井隆)
春が来るたびに思うことがあります。「今年は桜がいつ咲くのか」と。今年はいつになく花の開花が遅く、ソメイヨシノもそうなのかなと思ったのですが、ちらほらと開花宣言のニュースが飛び込んでくるようになりました。 & […]
「春は牡丹餅、秋はお萩」は本当?
春分の日を迎え、牡丹餅を食べられた方も多いかと思いますが、ネットで面白い記事 ☆ を見つけました。 「春は牡丹餅、秋はお萩」とよく言われますが、実はこの説、江戸時代には成立していなかったことをご存じでしょう […]
【小説】教科書を捨てた料理研究家
なぜだか知らないけど、料理研究家のリュウジさんが夢に出てきました。夢の中の私は、どこか学校のような場所にいて、教科書、またはドリルを使って漢字の練習をしていました。集中できずにいると、場面が突然切り替わり、 […]
【今日の短歌】子供よりシンジケートをつくろうよ「壁に向かって手をあげなさい」(穂村弘)
「これって、競馬の種牡馬シンジケートも示唆しているのかな?」と思うのです。競馬におけるシンジケートは、ある種牡馬に投資し、その利益を分け合う仕組みです。それを踏まえると、「子供よりシンジケートをつくろうよ」 […]
【今日の短歌】輪になってみんな仲良くせよただし円周率は約3とする(松木秀)
「輪になってみんな仲良くせよ」と言いながら、前提条件として「円周率は約3」という歪んだルールを押し付けている。その不穏さには、表向きの平等を語るものの、実際には画一化を強いる現実が感じられます。本来の「平等 […]
【今日の短歌】フェルメール雨を描きてほしかりきけだしや透きし肌透くほど(佐佐木幸綱)
フェルメールといえば、やっぱり「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる、ラピスラズリの鮮やかな青が印象的です。でも、ここで求められているのは青空ではなく「雨」。そこに惹かれる気持ち、すごくわかりま […]
【今日の短歌】沈黙はときに明るい箱となり蓋を開ければ枝垂れるミモザ(服部真里子)
ミモザのふわっとしたフォルムや明るい黄色は、柔らかく場を和ませる雰囲気を連想させます。例えば、ちょっとしたユーモアや優しい言葉を添えて、緊張をほぐしてくれる人の存在が感じられます。 昨今、世界 […]