一円玉見つつ思へり一つあて三円を費やし造る人らを 悟桐学 この短歌のポイントは、「一円玉の製造コストは実は一円を超えている」という現実にあります。実際、日本の一円玉の製造コストは一枚あたり数円かかることが知 […]
「2025年」の記事一覧(2 / 3ページ目)
【今日の短歌】一円玉見つつ思へり一つあて三円を費やし造る人らを(悟桐学)
この短歌が示すのは、私たちが普段何気なく見ている一円玉の製造にまつわる矛盾です。一円玉の製造コストが一枚あたり数円にのぼるという事実に着目することで、短歌は私たちの日常の中に隠れた「無駄」を浮き彫りにしてい […]
【今日の短歌】ビスケット託して放つ伝書鳩その密告は食べても構わん(鯨井可菜子)
「密告」という言葉には、秘密や内緒ごとを暴くようなニュアンスがあるので、本来なら触れてほしくないはず。でも「食べても構わん」と言ってしまうことで、「知られてもいいし、知られなくてもいい」というどこか揺れ動く […]
【今日の短歌】たましひはここに遊ぶと菜の花のうすらあかりの黄のひとうねり (雨宮雅子)
風にそよがれながら、黄色がうねっているのがいいんですよね、菜の花畑は。そうか、“たましひ”が遊んでいるからなのかぁ。 風に揺れる菜の花をただ眺めていると、ふと自分が溶け込んでいくような感覚にな […]
【今日の短歌】レディ・ゴディバのハート一片口中にとけゆくほどの恋心かな (岡井隆)
「レディ・ゴディバ」とは、11世紀のイングランドの伯爵夫人、ゴダイヴァ夫人のこと。夫の重税に苦しむ民のために一糸まとわぬ姿で馬に跨ったという逸話のある貴婦人です。『俺はレーシングカー、ゴダイヴァ夫人の如く駆 […]
【今日の短歌】蝋梅の黄色のしずく夕光に身ぐるみ透けてひとつ火ともす (玉井清弘)
何年も前のことですが、友人から華道を習っていたことがあります。友人が懐妊したことをきっかけに教室はなくなってしまい、期間としてはとても短かったのですが、そのときの経験は今でも役立っています。特に正月花を生け […]
【今日の短歌】「その辺の草でも食つてろ」「ああ食ふは」まずは雪間の蕗の薹から (小関祐子)
野草に興味を持ち始めた私にとって、「その辺の草でも食つてろ」と言われたら、むしろ「その辺の草も美味しいものがたくさんあるんだぞ」と思うのです。「その辺の草・・・」を実際に食べてみなければ、その美味しさや楽し […]
【今日の短歌】雪のうちに春はきにけり鶯のこほれる涙いまやとくらむ (藤原高子(二条后))
立春を迎えて、七十二候では東風解凍(はるかぜこおりをとく)。 暦のうえでは「春」ですが、冬将軍はむしろここからが本領発揮とばかりに、猛威を振るいそうです。明日あたりから最強寒波が迫っていて、また一段と冷え込 […]
【今日の短歌】節分の豆まきにけりこの冬をわれつつがなくすぎにけらしも (古泉千堅)
節分の豆まきにけりこの冬をわれつつがなくすぎにけらしも 節分の豆まきをした。どうやら私は、この冬を無事に過ごすことができたようだなぁ。 「立春」の前日である節分は、「季節を分ける」という意味が […]
【今日の短歌】簡略な蝶が書かれたボタン押すエレベーターを閉めたい時に(田中有芽子)
エレベーターの「閉」ボタンに描かれた、ただのマーク。そこに「蝶」の姿が見えるようになりました。というより、もうあの形は蝶にしか見えません。それまで何気なく見ていたものが、言葉によって別の意味やイメージを持ち […]