今回は「白露」ということで、『伊勢物語』六段「芥河」に出てくる「露」にちなんだ一首です。 伊勢物語の冒頭は「昔、男ありけり」で始まることが多く、“男”の名は明確に記されてはいません。“男”のモ […]
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【今日の短歌】もののふの矢橋の舟は速けれど急がば回れ瀬田の長橋 (宗長)
梅雨のような天候が続いています。こちらの地域では、長雨による影響で氾濫危険水位に達した河川もあって、警報の通知がずっと来ている状態でした。今は一時期によりも落ち着いており晴れ間も見えたりもしますが、願わくは […]
【今日の短歌】夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ (清原深養父)
夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ 清原深養父 夏の夜は、まだ宵のうちだと思っていてもすぐ明けてしまう。雲のどこに月は宿をとっているのだろうか。 夏至が過ぎて少しずつ日が短く […]
【今日の短歌】このゆふべ降り来る雨は彦星の早漕ぐ船の櫂の散沫かも (詠み人知らず)
このゆふべ降り来る雨は彦星の早漕ぐ船の櫂の散沫かも 七夕の今日に降る雨は、彦星が急ぎ漕く゛船の櫂があげる飛沫であろうか 七夕の日に降る雨を「洒(催)涙雨」といいますが、さっきまで雨が降っていま […]
【今日の短歌】紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る (詠み人知らず)
畑の一角に、零れ種から出てきた青紫蘇の芽がびっしり。大きくなってきたらすごいことになると思いつつ放置したままだったので、ギュウギュウになりながらそのまま育っています。あちこちにお裾分けしつつ、あの手この手で […]
【大和物語】つつめども隠れぬものは・・・
鳴かぬ蛍が身を焦がす・・・。そんな蛍が舞う季節となりました。今回は、蛍にちなんだ和歌をご紹介します。 桂の皇女に式部卿宮すみ給ひける時、その宮にさぶらひけるうなゐなむ、この男宮を「いとめでたし […]
【今日の短歌】いかにせむ山の青葉になるままに遠ざかりゆく花の姿を (俊恵)
いかにせむ 山の青葉になるままに 遠ざかりゆく花の姿を 俊恵 どうしようというのか。山が青葉になるにつれて遠ざかってしまう花の姿を 春になれば山桜、そして木々の間に隠れるように咲いている自生の […]
【今日の短歌】藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ (詠み人知らず)
藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ 詠み人知らず 藤の花が咲く春の野に蔓延る葛のように、心の中で慕っているばかりでは、この恋が成就するのは遠い先のことになってしまうでしょう […]
【今日の短歌】花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける (西行)
花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける 西行 (美しさゆえに) 花見に人が押し寄せてくるのが、桜の罪なところである 「花見にと群れつつ人の来る」ことは、ゆったりと桜を楽しめないという他にも […]
【今日の短歌】今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん (紀貫之)
今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん 紀貫之 今年より春を知った(今年に花を咲かせた)桜花よ。他の花々がそうであっても散るいうことは習わないでほしいものだ。 地方によってはソメ […]