蓮葉のにごりに染まぬ心もてなにかは露を玉とあざむく 僧正遍照 蓮の葉は泥の濁りに染まらない清らかな心を持っているはずなのに、どうして(葉の上にある)露を玉と見せかけて欺いたりするのでしょうか。 […]
「2022年」の記事一覧(4 / 8ページ目)
【今日の短歌】クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテといふ長き名を持つ楽器のありき (服部崇)
「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」とは、イタリア語で「強弱をつけることのできるチェンバロ」という意味。すなわちピアノのことです。 チェンバロとピアノは似ていますが、音のなる仕組 […]
【今日の短歌】春のあとに夏の来るこそあはれなれアガパンサスの茎拉(ひし)ぎつつ (岡井隆)
かかりつけの歯医者さんは、診察台近くの窓枠棚にいつも綺麗な花が活けられています。入口の階段のところにも、いつもきちんと手入れされた寄せ植えのプランターがあったりして、花好きのスタッフさんがいるのかもしれませ […]
【今日の短歌】欄外の人物として生きてきた夏は酢蛸を召し上がれ (山崎方代)
そういえば、今日は半夏生。半夏生といえば、蛸を食べたりするよねってところから、ひょいと「夏は酢蛸を召し上がれ」が浮かびました。えっ、あっ、そういうことなの⁈「欄外の人物として生きてきた」という神妙な言い回し […]
【今日の短歌】瀬をはやみ岩にせかかる瀧川のわれても末に逢はむとぞ思ふ (崇徳院)
瀬をはやみ岩にせかかる瀧川のわれても末に逢はむとぞ思ふ 崇徳院 川の瀬の急流が、岩にせき止められて二手に別れながら再びひとつになるように、再びあなたとお逢いしたいと思います。 二手に別れた流 […]
【今日の短歌】梅の実は緑の中に色わきて紅にほふさみだれのころ (松平定信)
梅の実は緑の中に色わきて紅にほふさみだれのころ 松平定信 梅の実は緑の葉の中に紛れるようにしてあり、それがだんだんと紅に色づいて香り立つのは五月雨のころである 今日は七十二候の第27候「梅子黄 […]
【今日の短歌】コピー機を腑分けしてゐる一枚の詰まりし紙を探しあぐねて (門脇篤史)
ここ東海地方でも梅雨入り坊やがお通りなさったようで、いよいよ湿気との戦いがはじまります。“髪”が湿気でうねったり広がったりというのもありますが、“紙”もまた湿気を含んで紙詰まりしやすくなりますね。 &nbs […]
【今日の短歌】昨日なし明日またしらぬ人はただ今日のうちこそ命なりけれ (今川義元)
生まれも育ちも東三河(愛知県東部)の私は、今も東三河で暮らしています。今川義元公といえば、かつてここ東三河を支配下にしていた人物。 尾張(名古屋)を治めていた織田信長の父・織田信秀が三河を侵略 […]
【今日の短歌】人間50年 下天の夢をくらぶれば夢幻の如くなりこの度生をうけ滅せぬもののあるべきか
昨日のことですが、仕事をしていたらどこからともなく「人生早送り」という声が聞こえてきました。もう6月だなんてあっという間という話の流れからみたいですが、そんな風に錯覚してしまうほど、月日というのは瞬く間に過 […]