感情の微妙な揺れに対して深く共鳴する自分がいることに気づかされる瞬間、その感覚がどれほど他者との関係に影響を与えるかを改めて考えさせられます。特に不安という感情は、たとえ隠そうとしても、言葉や行動に滲み出て […]
「短歌」タグの記事一覧(6 / 64ページ目)
【今日の短歌】まことにも暑し暑しと口にしていへば紛るる土用の暑さ(窪田空穂)
あっつい、とにかくあっつい。年々厳しさを増す猛暑に「暑い」という言葉がつい口を出てしまい、「おはよう」もそこそこに「暑いね」が挨拶代わりとなってしまうほどです。真夏の猛烈な暑さに対する対処法として、「暑い」 […]
【今日の短歌】雑踏の中でゆっくりしゃがみこみほどけた蝶を生き返らせる(木下龍也)
蝶々結びは完璧にできても、その蝶はすぐにほどけてしまいます。子供の頃からその度にしゃがみこんで結び直してきたのですが、どんなに固く結んでもまたほどけてしまいます。時が流れてもこの現象は変わらず、ほどけにくい […]
【今日の短歌】梅雨さりぬ先づはなだ草初夏の瞳を上げてよろこびを云ふ(与謝野晶子)
ここ東海地方でも梅雨が明けました。ジメジメとした梅雨から解放されて嬉しいのは、ツユクサ(別名「はなだ草(縹草)」)も同じでしょうか。梅雨が明けた瞬間の清々しさと喜びを、ツユクサの鮮やかな青色が見事に表現され […]
【今日の短歌】遠雷のような時代が波たちて海の名前の家族が笑う(東直子)
「海の名前の家族」というのは、おそらくはサザエさん一家のことでしょう。調べてみたら、原作は1949年12月1日付で創刊された「夕刊朝日新聞」での連載が最初で、アニメが放送開始されたのは昭和44年の10月5日 […]
【今日の短歌】はちす咲くあたりの風のかほりあひて心のみづを澄す池かな(藤原定家)
はちす咲くあたりの風のかほりあひて心のみづを澄す池かな 蓮の花の咲くあたりから風に乗って香りが漂ってきて、心の水までも浄化してくれそうな池だ。 昨日からは七十二候の第32候「蓮始開」 仏教では […]
【今日の短歌】冷蔵庫の麦茶を出してからからと砂糖溶かしていた夏の朝 (穂村弘)
小・中学生の頃、私は周期性嘔吐症(自家中毒)を起こしやすく、定期的に体調を崩すことがありました。そういった場合は、病院へ行ってブドウ糖や点滴を打ってもらうのですが、とにかく水分や糖分を補給することが大事でし […]
【今日の短歌】うどん屋の饂飩の文字が混沌の文字になるまでを酔う(高瀬一誌)
確かに、「饂飩」と「混沌」は漢字の形が似ていますね。普段は「うどん」とひらがなで書かれることが多いですが、漢字で書くとその形の面白さに気づきます。 「饂飩の文字が混沌の文字になるまで」と言うと […]
【今日の短歌】明日のことは明日にまかそう己よりおそろしきものこの世にはなし(山崎方代)
不安要素がいくらでも挙がってくる中で、ただただ今を生きていればそれでいいのか。「明日のことは明日にまかそう」は基本的に賛成なのですが、避けられない現実に対して通用しないこともあると感じます。そのため思い悩む […]
【今日の短歌】清流にひそやかに咲く梅花藻の喪のひとの顔しろくうつむく(桑原正紀)
叔母の墓参りを兼ねた花めぐりで訪れた普門寺は、紫陽花寺として知られていますが、そこで思いがけず梅花藻に遭遇しました。梅花藻は大垣や米原に行かないと見られないと思っていたので、こんなに身近なところで咲いている […]