ワールドカップ、盛り上がっていますね。(ベルギー戦、日本負けちゃったけど(>_<))

 

サッカーに興味があってもなくても、日本代表がフィールドで戦うのならばそりゃやっぱり勝って欲しい・・・。だって日本人だから。そうやって、日本国中が「ガンバレニッポン!!」と応援していた中、果たしてどれほどの人が日本国民としてこの国のことを知っているのでしょうか。

 

ワールドカップ開催で「世界の中の日本」という意識が向いている今だからこそ、「日本」という国について改めて考えてみるのもいいんじゃないかとこんな本のご紹介です。東條英利氏の「日本人の証明」という本です。

 

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著書の東條英利氏は、第四十代内閣総理大臣・東條英機元首相の直系の曾孫にあたる方です。事実だけを述べると、東條英機元首相は日本の敗戦を機に「A級戦犯」のレッテルを貼られ処刑されてしまいます。

 

そういった特殊な家系で生まれ育った自分が東條家の一員として何を想い、どのようにして日本人としてのアイデンティティを自覚をするようになったのか、そもそも日本、あるいは日本人 とは何ぞやというが紐解かれているのがこの著書です。

 

日本とは「世界最古の国」である

 

まず日本という国は「世界最古の国」であると著書は述べています。えっ⁈世界最古⁈と、驚きました。中国とかじゃないの⁈と思ったのですが、それはあくまでも歴史の古さのことであって、ひとつの国家の長さとは根本的に異なるのだそう。国家とは一つの政体をなしたものであって、国としての歴史の古さでいえば日本が一番古いというわけです。

 

祝祭日に「建国記念の日」というがありますが、これは初代天皇である神武天皇が即位した日。紀元前六六〇年に神武天皇が即位され、それが国家の始まりであり日本という国の創始であり、この日は「紀元節」と呼ばれています。

 

さて、そこで単純に想像してみていただきたい。今の世界をみたときに、それらのうちの一つの国でいいから、今なお残っていたら、あなたはどう感じるだろうか。ギリシアのアテネでもスパルタでもいい、アケメネス朝ペルシアでも秦王朝でもいい。それはとてつもなくスゴいことだと思わないだろうか。実は、外国では、そんな驚きの目をもって、今の日本国を見ているのだ。

 

さらに「建国記念の日」についていえば、なぜ建国記念「の」と微妙な名称にいるのかについても述べられています。これには日本が敗戦によって、「日本国憲法」を制定するにあたり一度建国記念日を失ってしまうという過去の歴史にあります。

 

後に主権を取り戻し、自民党は「建国記念日」を制定しようとするのですがそう簡単にはいきませんでした。偏狭な愛国心を助長させたとして、神武天皇が即位した紀元節をもとに建国記念日を制定することに難色を示す反対派の存在があったからです。

 

復権回復から14年後にようやく決着がついた妥協案が、「国家が建国されたという事象そのものの記念日という意味で「の」を挿入すること」というもので、これが「建国記念“の”日」となった理由ということらしいです。

 

結果、日本国は「建国記念の日」を迎えることができたわけだが、その見返りとして日本国は建国の創始の意味をグレー化させることになった。教育現場で、この建国の意味を教えようにも、中央政府が明文化を恐れてしまったようでは、教えることも憚れるというものだ。
こうして、生まれたのが、われわれの世代のような「建国記念の日」の意味を知らない現代日本人なのである。

 

はぁ~、そうだったんだ。こういった事実を知らずにいた私は、改めて「日本のことを何にも知らなかったんだな」と思い知らされました。

 

 

日本人のルーツとアイデンティティは「神道」にある

 

例えば、食事の前に「いただきます」と言ったり、モッタイナイ精神だったり、こういった日本人特有の気質は「神道」につながっており、それが日本人のアイデンティティでありルーツであるだと本書では説かれています。そして、日本人の自然を畏れ慈しむ心は、森羅万象に神々を見出だし自然を畏敬する「神道」によって育まれてきました。

 

そもそも「神道」には「絶対神」も「経典」もなく、布教という概念もないのだそう。故に「神道はほんとうに宗教なのか?」と問われれば、それとは異なるいうのが東條氏の考え方です。

 

神道については本書に詳しく書かれていますが、東條氏はこの神道に基づいた日本人の日本人のアイデンティティでありルーツを伝承するために「神社人」というポータルサイトを運営されています。

 

 

日本人としての“教養”を身に着けるための本

 

こういった踏み込んだ話になると、いわゆる“右”とか“左”だとかややこしい話にもなってくるのかもしれませんが、そういったことではなく自分のルーツやアイデンティティを認識することの大切さを説いているのが本書です。

 

「日本」という国は思っているよりもずっと神秘的で貴重で美しい国であり、その中で培われてきた日本人のアイデンティティは素晴らしいものだということが読めばわかるかと思います。もっと言えば、日本人が日本人としての“教養”を身に着けるための本といってもいいのかもしれません。

 

じゃあ、教養とはいったい何?という話なのですが、本書では「教養」と「知識」は別物だと書かれています。わかりやすい解説として、堀江貴文氏の多動力の中に「教養とは、表面的な知識やノウハウのことではなく、時代が変化しても変わらない本質的なことを言う」という一文があります。

 

おそらく本を出版するにあたり、相当の勇気と覚悟が要ったのではないかと思いますが、私は本書と巡り合えたことをとてもラッキーだったと思うし感謝しています。

 

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それでは最後に、「日本」とは・・・「日本人」とは何かを陳列してまとめられていたものを引用して締めくくりたいと思います。

 

  • 日本国は、世界最古の国家を今も継承している。
  • 天皇は、日本国のみならず、世界にとっても貴重な存在である。
  • 日本人の特異性は、文字のない時代から継承された感性にある。
  • 日本人は、森羅万象に神の姿を感じ、自己を律する謙虚な心を持っている。
  • 日本人は、万物に霊性を感じ、物を粗末にしない、もったいない意識を醸成してきた。
  • 日本人が示す「道」は、日本人の勤勉さと究極的探究心のあらわれである。
  • 日本人の柔軟性は、相手の利点をうまく取り入れ、数々の奇跡をつくりあげてきた。