いかにせむ 山の青葉になるままに 遠ざかりゆく花の姿を 俊恵 どうしようというのか。山が青葉になるにつれて遠ざかってしまう花の姿を 春になれば山桜、そして木々の間に隠れるように咲いている自生の […]
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【今日の短歌】白藤のせつなきまでに重き房かかる力に人恋へといふ (米川千嘉子)
恋しさだったり、祈りだったり、願いだったり。募る想いというのは内へ赴き、そして藤房のようにだんだんと重く垂れ込めるもの。当たり前にあったこれまでの日常を渇望し、想いを募らせていく中で、そのことをより深く実感 […]
【今日の短歌】藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ (詠み人知らず)
藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ 詠み人知らず 藤の花が咲く春の野に蔓延る葛のように、心の中で慕っているばかりでは、この恋が成就するのは遠い先のことになってしまうでしょう […]
【今日の短歌】片恋よ 春の愁いの一日をティッシュペーパーほぐして過ごす (服部真里子)
ティッシュペーパーをほぐしながら片恋よ・・・というよりは、花粉で鼻がグュショグシュでなんですけど。春は、とかくティッシュペーパーと大親友になりがちです。マブダチですわ。それでも一時よりは少し落ち着いてきたか […]
【今日の短歌】思い通り咲けぬさくらも混じれるか雨に散りたるあとを踏まれて (千々和久幸)
花弁がついたまま落下していく八重の桜。御衣黄桜もそのひとつ。御衣黄の由来にもなった萌黄色は茶色く色褪せ、ひっそりと散っていました。よろづのことも、初め終はりこそをかしけれ。吉田兼好がいうように、満開の桜もい […]
【今日の短歌】たんぽぽはまぶたの裏に咲きながら坐れり列車のなかの日溜まり (内山晶太)
私って、基本的にまぶたの裏に入ってくる光は苦手なほうではあるんです。夜は特にそうで、できるだけ暗くしないと眠れないんです。日中も、昼寝をするときは部屋のカーテンを閉めます。 でね、名古屋まで電 […]
【今日の短歌】花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける (西行)
花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける 西行 (美しさゆえに) 花見に人が押し寄せてくるのが、桜の罪なところである 「花見にと群れつつ人の来る」ことは、ゆったりと桜を楽しめないという他にも […]
【今日の短歌】山蕗のまだやはいうちを摘みとつてうれしいこんなに指がよごれて (谷とも子)
蕗って「やはいうち」がしっとりして美味しいんですよね。今のうちにと思って、畑の脇に自生している蕗を使って、蕗ご飯や蕗の煮物、蕗の葉味噌を作ったりしています。毎年恒例の春の味覚です。 蕗は灰汁が […]
【今日の短歌】悲しみのほむら燃ゆると思ふまで色たちてくるかたかごの花 (岡野弘彦)
「悲しみのほむら燃ゆる」方へと「色立つ」と考えれば、この場合の「色たちてくる」は、濃くなるのではなくその逆のような気がするんです。カタクリの花が大好きで、毎年のようにその可憐な姿をレンズに収めているのですが […]
【今日の短歌】今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん (紀貫之)
今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん 紀貫之 今年より春を知った(今年に花を咲かせた)桜花よ。他の花々がそうであっても散るいうことは習わないでほしいものだ。 地方によってはソメ […]