野辺みれば弥生の月のはつるまで まだうら若きさいたづまかな 藤原義孝 春の野を眺めているうちに、弥生の月が昇るほどの時が過ぎていた。 そこにいたのは、まだうら若く、目を引くような「さいたづま」 […]
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【今日の短歌】足裏にふれてここにも土破る筍の秀はとがりて黄色し(白河まさ子)
今年の筍は慎重派なのか、出てくるのが遅くて、4月になっても一つも姿を見せませんでした。例年なら3月の半ば頃からポコポコと出てくるのに、こんなことは初めてです。「もう少し暖かくなってからにしようか」って、地中 […]
【今日の短歌】桜なんか勝手に咲けよまだすこし怨念がある昨日の夢に(岡井隆)
春が来るたびに思うことがあります。「今年は桜がいつ咲くのか」と。今年はいつになく花の開花が遅く、ソメイヨシノもそうなのかなと思ったのですが、ちらほらと開花宣言のニュースが飛び込んでくるようになりました。 & […]
【今日の短歌】雪のうちに春はきにけり鶯のこほれる涙いまやとくらむ (藤原高子(二条后))
立春を迎えて、七十二候では東風解凍(はるかぜこおりをとく)。 暦のうえでは「春」ですが、冬将軍はむしろここからが本領発揮とばかりに、猛威を振るいそうです。明日あたりから最強寒波が迫っていて、また一段と冷え込 […]
【今日の短歌】よもの山に木の芽はるさめふりぬればかぞいろはとや花のたのまむ(大江匡房)
よもの山に木の芽はるさめふりぬれば かぞいろはとや花のたのまむ 大江匡房 四方の山々に木の芽を膨らませる春の雨が降れば、父よ母よと、花はこの雨を頼りにするのだろうか。 断続的に雨が降ったりとす […]
【今日の短歌】紅に深くにほへる桜花雨さへ降りて色を染めける (詠み人知らず)
紅に深くにほへる桜花雨さへ降りて色を染めける 詠み人知らず 紅がとても映える桜花に雨が降り、さらに色を染め上げている 今日は七十二候の桜始開(さくらはじめてさく)ですが、こちらではソメイヨシノ […]
【今日の短歌】片恋よ 春の愁いの一日をティッシュペーパーほぐして過ごす (服部真里子)
ティッシュペーパーをほぐしながら片恋よ・・・というよりは、花粉で鼻がグュショグシュでなんですけど。春は、とかくティッシュペーパーと大親友になりがちです。マブダチですわ。それでも一時よりは少し落ち着いてきたか […]
【今日の短歌】たんぽぽはまぶたの裏に咲きながら坐れり列車のなかの日溜まり (内山晶太)
私って、基本的にまぶたの裏に入ってくる光は苦手なほうではあるんです。夜は特にそうで、できるだけ暗くしないと眠れないんです。日中も、昼寝をするときは部屋のカーテンを閉めます。 でね、名古屋まで電 […]
【今日の短歌】菜種梅雨やさしき言葉持つ国を歩む一人のスローモーション (俵万智)
この記事を書いている今日は、雨が降ったり止んだりのどんよりとした天気。しばらくはすっきりしない天候が続きそうです。 「菜種梅雨」とは菜の花の時期に降り続く雨をさす言葉ですが、そろそろそんな時期にさしかかって […]
【今日の短歌】大玉のキャベツざくざく切るときに窓に近づく春の雲あり (関谷啓子)
少し前に大玉の寒キャベツを2つもいただきまして、そんな中で春キャベツが次々と収穫期を迎えている我が家の畑。他所様が育てた寒キャベツを消費しつつ、我が家で育てた春キャベツは誰かにおすそ分けするというね、謎の現 […]