2023年の今日は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災からちょうど100年目にあたります。 小林天眠の依頼で受けていた、源氏物語全般にわたる現代語訳を含む源氏物語の講義の執筆に取り組 […]
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【今日の短歌】生者なるわれにまだまだ幾人(いくたり)も生者は絡み お墓を洗ふ (片岡絢)
生きているうちはこの先も幾人の生者と絡むことになり、生者の私がここにいるのは、過去の生者である幾人のご先祖様がいたからなんですよね。至極当然の摂理だけにわかりきっているつもりだったけど、先日お墓参りにいった […]
【今日の短歌】嫁として帰省をすれば待ってゐる西瓜に塩を振らぬ一族 (本田真弓)
西瓜に塩を振らぬ一族の中にいて、嫁の立場である主体がそのことにどのような思いを抱いているのか。一切書かれていないその隠されたメッセージを汲み取ることで、いくらでも物語ができそうです。物語はあくまでも憶測や妄 […]
【今日の短歌】会えぬものばかり愛した眼球の終のすみかであれアンタレス (佐藤弓生)
夏の夜空を眺めれば、まずはわかりやすい夏の大三角形と蠍座を見つけるのですが、蠍座のちょうど心臓部に赤みがかった神秘的な星があります。「サソリの心臓」とも呼ばれる赤色超巨星のアンタレスです。 大 […]
【今日の短歌】言葉から言葉つむがずテーブルにアボカドの種芽吹くのを待つ (俵万智)
マンゴーの種を育ててみたら、根っこがちょろっと出てきました。SNSなどを通じて、俵万智さんがアボカドを種から育てているのを知っていて、マンゴーの種を育ててみようと思ったきっかけのひとつになって […]
【今日の短歌】すきまなくしげれる蓮の葉の池にぬきいでて立ちひらく蓮の花 (岡麓)
岡崎市・伊賀八幡宮にて。 葉の影にひっそりと鎮座していたり、葉からすくっとぬきいでて立ちひらいていたり。それぞれに個性はあれど、どの花も葉に隠れている泥水のことなんて微塵も感じさせないほどの優 […]
【今日の短歌】牽牛(ひこほし)の思ひますらむこころより見るわれ苦し夜のふけゆけば (湯原王)
七夕ですね。こちらは先ほどから雨が降り出してきて、残念ながら天の川を見るのは難しそうです。雲がかってはいたものの、日中は太陽が顔を出してくれていたんですけどね。七夕の夜って、なぜかすっきりと晴れないことが多 […]
【今日の短歌】半夏生 わたくしは今日頭上より雨かんむりをしづかにはづす (永井陽子)
「チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな」 「ハンゲ(半夏生)は待つな」は、半夏(カラスビシャク)が生える頃の雨は大降りになりやすいので、それまでに田植えなどは終わらせておいた方がい […]
【今日の短歌】しゃべりつつ言葉を選ぶ立ち止まりムーンウォークをする感じにて (佐佐木幸綱)
受け答えするのにも、場合によっては頭の回転と瞬発力を要します。追いつかなくても、喋りながらも脳をフル回転させそれなりに言葉を繋ぐのですが、そんなときはどこか頭の中がフワフワしています。それこそ月面を歩くかの […]
【今日の短歌】花の名に定家は残り小さなるスクリュー型がいくつも散りぬ (前田康子)
「花の名に定家は残り」の「花の名」は定家葛 (テイケカズラ) のこと。「定家」とは藤原定家のことであり、謡曲 (定家葛) にもなっている式子内親王との伝説のことを暗示しているのだと思われます。伝説をざっくりいえば、定家の […]