例えば、たわいもないメモ書きだったり。あ-はいはいと、とりあえずポケットの中につっこんで・・・数時間後。

 

・・・再びポケットの中に手をつっこめば、とりあえずポケットにつっこんでおいた紙切れの感触。手持ち無沙汰を解消するように、ポケットの中をまさぐりながらそれを折りたたんでいく・・・。私にとってたまにあることで、そんなことがまずパッと浮かびました。

 

掲出歌にあるポケットの中の紙片がどんなものかはわからないけど、その妄想をどう膨らませたかで余韻がまた違ってきますね。別れの置き手紙的なものだったりするのかな、もしかして。

 

 

 

私がポケットの中で紙を紙を折りたたむのは、ハンドスピナーに代表されるような「フィジェットトイ」みたいなもので、そうすることで気を落ち着かせているようなところもあって。無意識のうちに癒しを求めているような気がしないでもありません。

 

・・・と、こんな風にロジカルに語っているのは掲出歌と出会ったからであって、そうでなければ気にも留めていなかった何気ない動作のひとつ。だからこそ、そこに目をつけた視点にハッとさせられた一首。

 

そういう気づきを与えてくれるのも、短歌を知ることの面白さでもあります。