掲出歌と同じような趣旨が書かれているコラムを見つけました。マイケル・プロンコ氏の「「チラ見」と「横目」で東京はもっと楽しい」という記事です。
西欧人の私は、なんでも正面から見ることに慣れていた。まっすぐな大通り、開放的な広場、左右対称の建物、広い歩道。欧米の街並みは直視し、正面から見据えるためにある。
だが、東京は横目で見る街だ。次々に通り過ぎる人や物のイメージを目の隅でしっかり捉え、流れ去るにまかす。この東京人ならではの視覚的スキルなしに、東京を味わうことはできない。名付けて「東京的横目遣い」だ。
そうかぁ、なるほど・・・。韓国もどちらかといえば「直視」の文化で、「横目遣い」は日本特有の文化なのかもしれないですね。もちろん国によりけりなのでしょうが。
東京には数えるほどしか行ったことはないけど、言わんとしていることはすごくよくわかります。私も東京に似たようなイメージを持ちました。東京はとにかくあらゆるものが絶えず動いているので、必然的にそうなるのだろうなと感じます。
ここ愛知にいても国内なので「横目遣い」はそれなりには発動されますけど、東京はそれがものすごく洗練されていてスマート。真正面から見据えない気質に加えて、視覚的な動きの多さがより「横目遣い」を進化させてきたのでしょう。
去年東京へ行ったときも、あれだけの人混みをみんなスルッスルッと避けるし、「東京的横目遣い」でチラッと何かを気にしながら別の何かをしているという光景をよく見かけました。そういえば、人とぶつかって「あっ、ごめんなさい」なんてしょっちゅうやっている私が、東京ではそういうことが一度もなかった気がします。
東京はいわば「だまし絵」。横目遣いの達人でなければ、その豊かな魅力を存分に捉えることはできない。
韓国から来日されて8年になるカン・ハンナさん。「横目でモノを見る人の街」は、横目遣いの達人だからこその視点であり、それだからこそ詠める一首なのだと感じました。