ここ東海地方でも梅雨が明けました。ジメジメとした梅雨から解放されて嬉しいのは、ツユクサ(別名「はなだ草(縹草)」)も同じでしょうか。梅雨が明けた瞬間の清々しさと喜びを、ツユクサの鮮やかな青色が見事に表現されています。まるで初夏の瞳を持ち上げるように、ツユクサの青が周囲の風景を明るく照らし出す様子が浮かびます。

 

青い花はその希少性から特別な存在ですが、ネモフィラ、紫陽花、アサガオなど、意外と身近で見かけることができます。中でもツユクサは、その鮮やかなブルーでひときわ目を引きます。ツユクサの青色は、デルフィニジンという青色色素が鍵を握っています。このデルフィニジンは、マグネシウムやフラボンという色素と結びついてコンメリニンという色素となり、あの縹色と呼ばれる美しい青色を生み出します。濃く鮮やかな縹色は、まさに梅雨明けの清々しさとぴったりの色合いです。

 

ツユクサの花は可愛らしく、その姿を見つけると心が和みます。しかし、その繁殖力には驚かされることもあります。油断するとすぐに畑や庭に広がり、雑草として扱われることもありますが、幸いにも根が浅いため駆除は比較的簡単です。

 

ところで、ツユクサの葉っぱが食用になることをご存知でしたか?クセがなく、さっぱりとした味わいで意外な美味しさです。天ぷらや和え物として楽しむことができます。梅雨明けの青空の下で、与謝野晶子の詩を思い浮かべながらツユクサを楽しみ、この時期ならではの初夏の自然を感じるのもまた一興です。