時折、心の奥底に秘めた感情や本音が渦巻くときがあります。それはまだ成熟しきっていない本音のようなものがほとんどで、とても人前で公開できるようなものではありません。もし自分の思考を読まれていたらとリアル思考伝播 (サトラレ) を妄想することもありますが、そういった感情の大半は「世に秘すべくあるらし」という感覚です。
とはいえ、秘めておきたい気持ちと、誰かに知ってもらい共感してほしいという欲求が交錯するときもあります。吐き出せなかったことで行き場を失ったモヤモヤは、趣味だったり短歌へと浄化させることもあれば、誰かに話を聞いてもらうことで軽くなることもあります。
成熟しきっていないうちにうっかり感情や思いを漏らしてしまった結果、大変な目に遭うことも少なくありません。時には熟れていない青ぶどうのような辛酸を舐めるハメになったりもします。情報が瞬時に広まる現代社会では、そういったトラブルが頻繁に発生しています。
余計な事は言わないほうがいいという教訓がある一方で、伝えないことによるコミュニケーション不足が原因でトラブルを招くケースもあり、慎重な判断と適切なコミュニケーションが求められる時代だともいえます。自分の内面の微細な感情と他者とのコミュニケーションのバランスを取ることは難しいですが、世に秘すべくことときちんと意思伝達をしなければならないことを見極めながら、できるだけ円滑にコミュニケーションを図っていきたいものです。