【今日の短歌】子供よりシンジケートをつくろうよ「壁に向かって手をあげなさい」（穂村弘）

「これって、競馬の種牡馬シンジケートも示唆しているのかな？」と思うのです。競馬におけるシンジケートは、ある種牡馬に投資し、その利益を分け合う仕組みです。それを踏まえると、「子供よりシンジケートをつくろうよ」という言葉も、ひょっとするとそのような冷徹な商業的システムを暗示しているのかもしれません。そして「壁に向かって手をあげなさい」という命令的なフレーズが、そのシンジケートへの皮肉をさらに強調しているように感じます。

つまり、この言葉は、恋愛や人間関係における本当の情熱や感情を超えて、相手を支配するための道具として感情が使われているという皮肉を込めているのではないかと思うのです。愛の本質的な価値を無視し、冷徹に相手をコントロールしようとする態度への警鐘、あるいは批判と捉えることができるでしょう。

感情を商業的に利用し、利益を得るために「シンジケート」を作るという計算された世界。個々の真摯な気持ちを超えて、利益追求の道具として扱われる現実が、「シンジケートをつくろうよ」という言葉の皮肉として響いてきます。例えば、フジテレビ問題などもその一例です。さらに言えば、社会全体が感情や反応を操作して利益を得る構図になっているように感じます。特に、政治やメディアの世界では、感情的なレトリックや扇動的なメッセージが頻繁に使われています。このような社会に潜む「壁に向かって手をあげなさい」から、本物の情熱や感情をどう守るべきか。そろそろ再考する時期に来ているのかもしれません。