いわずもながのバスケ漫画の名作「スラムダンク」に出てくる短歌。詠み人は「諦めたらそこで試合終了ですよ」のあの安西先生。
短歌が登場するシーンをざっと説明するとこんな感じ。
インターハイを控え、安西先生とマンツーマンで1週間の強化合宿をすることになった主人公・桜木花道。安西先生からの課題はジャンプシュートをマスターすること。抜き打ちで練習の様子を撮影され、その映像を見た花道は愕然とします。
「ウソだ・・・コレがオレ?」
違う・・・‼︎ こんなのはオレじゃねぇ・・・‼︎ このカッコ悪いのは誰だ・・・!!
「オレはこんなうち方してねーぞ!!」
そこで安西先生が詠んだのが掲出歌です。上手くなりたければまず己の実力を知ること・・・。
「オヤジ・・・何をやったらいいんだ?」
「シュート2万本です」
「2万で足りるのか?」
安西先生の言葉に奮起した花道は、2万本シュートを見事やり遂げるのでした。
下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目/安西光義
昔、あれだけ夢中になって読んでいたスラムダンク。なのに、安西先生が短歌を詠んでいたことに気づいていなかった・・・😅
— 朝倉冴希@短歌 (@dassan34) April 25, 2020
えっ、安西先生が短歌を詠むシーンなんてあったんだ・・・。あんなに夢中になって読んでいたスラムダンク。もちろん2万本シュートのところもちゃんと読んでいたはずなのに・・・。短歌の場面がすっぽりと抜けていて、先月にやっと気づきました。マヌケだ・・・。(;^ω^)
「己が下手さを知りて一歩目」・・・なかなか自分のことを客観的に見るのって難しいですよね。私は短歌をやっているけど、自分でも自分の短歌のことをよくわかってはいません。
いい歌を詠もうと追求すればするほどその底なし沼のような深さに絶望します。世の中には私には決して真似のできない表現や語彙がそこらじゅうに溢れていて、いかに自分が無能で無知かを思い知らされます。
そこから抜け出そうとあがけばあがくほど、こんなことも知らなかった・・・なんであんな風に詠めないんだろうと、さらなる膨大な才知の渦に引きずられます。自分の何がどう悪いのかを気づくことは難しいし、それを受け入れて認めることも難しいです。だから安西先生の「己が下手さを知りて一歩目」はなかなかズシンとくる一首です。
何事も基礎という土台があってこその自由。基礎を身に着けるにはまず己を知ること。「己が下手さを知りて一歩目」は、その大切さを教えてくれています。
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・・・そうそう。
私が安西先生の短歌に気づいたのは、オリラジあっちゃんの動画がきっかけだったんだけど、かなり面白かったのでシェアします。
※ちなみに2万本シュート合宿の話は、「スラムダンク②激突!湘北vs山王工業」の6:00ごろに出てきます。