芋の葉にこぼるる玉のこぼれこぼれ子芋は白く凝りつつあらむ 長塚節
里芋の葉から玉のような雫がこぼれ落ちており、こぼれ落ちた先の地中では白い子芋たちが育ちつつあることだろう。

 

パールのように輝くまんまるの露と、光を一身に受けて反射するくぼみの水溜り。里芋の葉に浮かぶ雨粒は、キラッと白く輝いてとても美しいです。少し葉を揺らしてみれば、葉から葉へと垂れた水滴は、撥水効果によって弾け飛び、つるんと滑るようにこぼれ落ちてゆきます。

 

梅雨のひそかな楽しみとばかりに、ああでもないこうでもないと夢中でシャッターを切っていたこともあったっけ。久々に撮ってみたけど、なかなかうまくはいかないものです。

 

 

葉の上や地面へとこぼれこぼれた雨粒の恵みを受けながら、夏が過ぎ、秋がきて。ウチの畑の里芋たちも、そのころには収穫できるようになります。順調に育ってくれればね。

 

子芋や孫芋が親芋にかぶさるように密集し、ポキッと外せばその切り口は新鮮さがはっきりわかるぐらいに真っ白。そしてひとたび包丁を入れれば、毎年のことながらその色の美しさに感動します。掘りたてならではの醍醐味だと思っているので、「白く凝りつつあらむ」にとても心惹かれるものがあります。