某所の銀杏並木をよく通るのですが、すでに黄色く色づき葉が落ち始めている箇所もあれば、青々としてまだまだこれからの箇所もあり。気候のせいなのか、今年は特にクッキリとした違いがあるような気がします。

 

掲出歌は「木の訛言葉」という表現に一目ぼれして好きになった一首。落葉樹の葉は、緑色を形成しているクロロフィルが分解されることによって色づきますが、地域の気象条件によって鮮やかな赤や黄色になったり、ならなかったり。そういった意味で巧いなと思ったんですよね。

 

あと、葉の落ちる様子を「影まわしつつ」と葉と焦点をずらして表現するところも、さらっとやっているようでなかなか真似のできない巧みな表現だと思いました。

 

 

気温が下がる冬は光合成がしずらく、生存の知恵として葉を落とす落葉樹。つまり葉が枯れてしまって落ちるというより、身を護るために自ら葉を枯らして落としているのだと、昔どこかで知りました。

 

ハラハラと葉を落としている木々が言葉を持ったなら、何を想い、何を伝えようとするのでしょうか。春になればまた生えてくるとはいえ、葉がなくなっていくのは少し切ないものがあるのかもしれませんね。

 

あの銀杏並木に訛言葉があるとするなら、当然のことながら「じゃん・だら・りん」の三河弁一択だな。・・・とか勝手に妄想しています。※朝倉冴希は愛知県三河の出身です。