靴ひもを固く結んでいたはずが地に足つかず僕は傾く 朝倉冴希
これは朝倉冴希歌集「風花日和」にも収録されているものです。この歌を詠んだ当時の心境としてはこうでした。同じ靴紐を結ぶにしても、掲出歌はここから新たに始まるスタートラインと位置づけているのに対し、ずいぶんとネガティブ。(;^ω^)
靴紐を結ぶという行為は、さぁ行くぞとポジティブの象徴のようなものなのにね。そのつもりで靴紐を固く結んだはずなのに傾いてしまう・・・そう憂いでばかりいたあの頃。あの当時に掲出歌と出会っていたら、「地に足つかず僕は傾く」ではなくもう少し前向きなものになっていたのかもしれません。
それとも逆に、そんなことでスタートラインに立てるはずがないと斜に構えているか。もしそうなら当時の自分に教えてあげたいです。広く見渡してみれば、スタートラインに立てる道筋はいくらでもあるんだってことを。必要な情報ならネットで調べればいくらでも出てくるんだから、さっさと調べるなりして行動しろと。
そう思える今になって「全ての場所がスタートライン」が身に沁みます。
なんでか知らないけど、私って靴紐がよくほどけるタイプみたいなんです。その度に煩わしい思いをしたり人を待たせたりもして、そういうところからして地に足がついていない自分。そんな自分をちょっと反省して、靴紐がほどけない方法をちらっと調べてみました。結び方とかいろいろあるのね。
たかが靴紐。ごくごく小さなことなんだけど、何もせずずっとほそのままでいるかパパッと調べて解決するか。地に足つくかつかないかって、このひとつひとつの差が案外大きいということをこの歳になってようやくわかってきたような気がします。