【今日の短歌】網戸にはときおり欅の影ゆれて目詰まりしやすい光があった 　(永田紅)

年末に向けて、少しずつ早めに大掃除を進めているつもりですが、あれもこれもと手を付けているうちに、忙しさの中で時間があっという間に過ぎていきます。特に網戸や窓の掃除は、光の加減によって汚れの見え方が変わるので、一見綺麗に見えても、角度を変えると意外と汚れやホコリが見つかります。例えば、ルーバー窓の小さな網戸を取り外して洗ってみると、光が微妙な角度で差し込むことで、思いのほか細かな汚れやホコリが浮かび上がってきます。

「目詰まりしやすい光があった」には、風に揺れる欅の葉が網戸に映り込むことによって複雑な影と光の模様を作り出す様子が描かれています。そんな光のいたずらや習性が感じられるこの描写は、網戸の目詰まりによって光がうまく通らない様子を、物事がスムーズに進まない状況や、何かが妨げとなっている状態の象徴として捉えることもできます。

網戸の目詰まりを取り除くことで光が真っすぐ通るように、汚れやほこりを掃き清めることで、私たちの日常生活もまたスムーズに進むようになるのかもしれません。というわけで、もうひと踏ん張りして、清らかな新年を迎えるための準備を整えようと思います。