今日は特に冷え込みが厳しく、こちらの地方でも雪がちらつきました。ほんの一瞬で止んでしまいましたが、私にとっては「はつ雪」です。

 

掲出歌について思いを巡らせると、「はつ雪」と「Googleマップを拡大させる」という現代的な行為が繋がっているのが斬新です。ありそうでなかった視点の組み合わせに、「こんな見方もあるのか」と、新たな気づきを得た気がしました。

 

さらに、この歌には3つの視点が重層的に表現されているように思います。1つ目は、Googleマップを拡大して眺めている視点。現代ならではの具体的なイメージが鮮やかに浮かびます。2つ目は、空から地上へと舞い降りる雪そのものの視点。雪のひとひらになったような感覚で、静謐なひとときを感じられます。3つ目は、天から地上を俯瞰的に見下ろす視点です。地図と雪が一体化し、広がる世界の中に自分が溶け込んでいくような感覚が生まれます。この歌が持つ視覚的な広がりと、自然と現代技術の融合が生み出す独特の味わいが、歌全体を際立たせています。

 

また、Googleマップを拡大する速度が、雪が舞い落ちる速度と重なり合うように感じられるため、ふわふわと舞う牡丹雪や、風に乗って舞う粉雪といった情景が次々と浮かんできます。そんなところも魅力です。

 

地方によっては雪が激しく降り、まるで雪の舞い降りる速度が2倍速、3倍速になったかのように感じられることもあるかもしれません。そんな日には転倒やスリップなどに十分注意しながらも、冬ならではの白い情景を心にそっと刻むことができるといいですね。